こんにちは!燻製ブロガーのりょう(Twitter)です。
今回は燻製には欠かせない「塩漬け」について深堀していきたいと思います。
燻製の基本工程において一番最初にやるのが塩漬けです。
塩漬けは主に「ふり塩法(乾塩法)」と「たて塩法(ソミュール法)」の2種類に分けられます。
それぞれの特徴を解説するので、燻製する食材に応じて使い分けてみてください!
「ふり塩法」と「たて塩法」の違いは?
それではふり塩法とたて塩法の違いを見ていきましょう。
両者の違いを簡単にいうと、食材に直接塩を塗り込むのか、食塩水に漬け込むのかです。
ふり塩法(乾塩法)の特徴
まずは、ふり塩法(乾塩法)の特徴から。
ふり塩法は、食材に直接塩を塗り込む手法です。
塩と一緒にスパイスや香辛料も合わせて塗り込むと良い感じの下味が付きます。
ふり塩法のメリットは脱水効果が高いところ。
燻製には脱水処理が欠かせないので、塊肉のような大きな食材はふり塩法で内部の水分を抜くことで燻製後の仕上がりも良くなります。
塩の量が多ければさらにその効果も高くなりますが、だいたい食材に対して5~10%くらいの塩を目安にしてみてください。
ムラなく塩分を浸透させるのが難しいとも言われますが、慣れてくればそれほど問題はないと思います。
冷蔵庫で数日間に渡って漬け込む場合は、食材の上下をひっくり返しながら均等に浸透させる工夫が大切ですね。
たて塩法(ソミュール法)の特徴
続いては、たて塩法(ソミュール法)の特徴。
たて塩法は食材を食塩水に漬け込む手法のことです。
この食塩水のことを「ソミュール液」と呼びます。
たて塩法のメリットは、食材に均等に下味をつけられるところ。非常に馴染みが良いです。
ふり塩法と比べるとソミュール液を作る手間がかかりますが、その分塩漬けで失敗する可能性も低くなります。
ちなみに、燻製に使われるソミュール液は、3~10%くらいの塩分濃度が多いですね。
これも食材によって濃度を調整したり、スパイスや香辛料を混ぜ入れたりと幅広い使い方がされます。
また、スパイスや香辛料、その他調味料を加えたソミュール液は「ピックル液」と呼ばれ、これを使用した塩漬けは「改良たて塩法(ピックル法)」という名前で区別されることもあります。
この辺りの区別は人によって曖昧なので、なんとなく覚えておくだけで構いません。
細かく説明しましたが、ふり塩法とたて塩法の違いは、食材に直接塩を塗り込むか、食塩水に漬け込むかの違いだと思ってもらえればOKです。
加えて、下味という意味ではたて塩法、脱水という意味ではふり塩法が適しているようなイメージですね。
燻製には欠かせない塩漬けの工程
燻製における塩漬けの工程は非常に重要な意味を持っています。
下味と脱水の具合によって、燻製の味は大きく変わってきますからね。
ふり塩法とたて塩法の使い分けは正直大きな問題ではありませんが、サッと塩を振ってすぐ燻製するのではなく、しっかりと時間をかけた方が美味しい燻製になるということは押さえておきましょう。
食材が大きく長時間かけて燻製する場合は、より塩漬けの工程が重要になってきます。
とはいえ、小さい食材を燻製する場合は、短時間で塩漬けを済ませるケースも多いです。
家で簡単な燻製を作るだけなら、塩漬けに時間をかけなくても十分美味しくいただけるのでご安心ください。
当サイトでも長時間かける本格燻製から、短時間で出来る簡単な燻製まで幅広いレシピを紹介してます。
燻製の作り方について
ちなみに、塩漬け以外にも燻製には5つの工程があります。
下記の記事で基本的な燻製の作り方を学べるので参考にしてみてください。
一緒に勉強しておくとより楽しめるようになるはずです。
あわせて読みたい
塩漬けに調味料やスパイスを加えることで燻製の幅が広がる
本来の燻製は保存食を作るための調理法だったので、腐敗の元である水分を抜くことを目的に塩漬けをしていました。
他のも脱水によるメリットはあるんですが、それよりも現代の燻製における塩漬けは下味の意味合いが強くなっていますね。
改良たて塩法(ピックル法)のように、塩にその他調味料や香辛料を混ぜ合わせることで、より深みのある味わいを付けることができます。
もちろん燻製することによる味もつくんですが、食材内部にまで浸透させるのは困難です。
塩漬けによる下味がべースになるのでめちゃくちゃ大事。
手間はかかりますが、食材が徐々に熟成されていく工程は見ていてすごく楽しいですよね。
そこに燻製の風味が加わるわけですから。美味しくなるに決まってます。
ふり塩法とたて塩法を駆使して、より本格的な燻製を楽しみましょう!